リノベーションのコンセプト
このマンションリノベーションの設計を担当した建築設計事務所TKO-M.architectsの岡村裕次です。今後、このリノベの設計意図をお伝えしたり、様々な工夫した箇所をお伝えしていければと思います。まずはこの間取りとした設計意図=コンセプトをお伝えします。
1・回遊動線
部屋に入ったら同じ出入口に戻るのが普通ですが、この家では扉を2箇所に設け、極力ぐるぐると回れるようにしています。いろんな動線の選択肢がとれ、効率良く動くことができます。
輪は2箇所あり、LDKと玄関周り、そしてメインの大きな個室1も同様にその輪に入れることができるようにしています。そうすることで、生活のメイン動線は全てぐるりと回れるようにしたのです。
そのためには扉は引戸であることが重要です。開き戸ですと開けっ放しにすることができませんし、できたとしても邪魔なことが多いので、閉めていることが基本です。しかし、日本文化の引戸は開けていても邪魔になりません。よって、メインの扉は全て「引き込み戸」と言って、扉が壁の中に仕舞い込まれるようになっております。そうすることで扉の存在が開けた時はなくなり、スッキリ見えるように工夫しているのです。
2・司令塔MFのキッチン
キッチンに長くいるであろう母親が極力全体を見渡せる司令塔の位置にキッチンを配置し、壁に大きなカウンター開口を開けました。そうすることでキッチンで作業していてもすぐに誰が何をしているかを把握することができます。今回のリノベーションで一番大変だったのはこのキッチンの移設です。リノベ前のキッチン位置は今のクローゼットの場所でした。そこから配管・配線等の可能な範囲で、かつ変更しただけの価値を産むことができる位置にキッチンを移動させたのです。この位置にしたことで今まで狭く、暗い閉鎖空間から明るいキッチンに、そして家の全体を見渡せる場所に変化させることができました。
このような感じで、少しずつ設計者としてのこだわりを書いていきたいと思います。
次に住む方にも、楽しく住んでいただけると嬉しいです。もちろん、現状からカスタマイズしたい場合は相談にのりますので、お気軽にお問い合わせください。
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