浮いている和室収納の秘密
設計者です。
リビングの中にある和室はご両親がいらっしゃるときに泊まったりもできる多目的な部屋がほしいということから設計しています。
そのため
1・将来的には扉で仕切ることができるように
2・布団が入れられる収納
が求められました。1を満たす扉が必要となるのですが、不透明な扉にすると部屋が狭く見えますし、お子さんが走り回る年頃なので当面は邪魔になりそうです。存在感が薄い障子などにすると今度はお子さんが壊すのは間違いないだろうとなり、とりあえずは扉が将来付けれるようにだけ設えてとなりました。よって、現在のように敷居と鴨居だけがある状態となっており、いつでも扉が設置できるようになっています。
次に2の「布団が入れられる収納」ですが、奥行きがある収納を作り、2人が寝れるスペースを確保するとリビング部分がかなり狭くなってしまいました。逆にリビングを大きく確保すると、この部屋に収納と2名が寝るスペースを確保することができません。
そこで、今あるように和室収納を浮かすというマジック!を使ったのです。
収納下の隙間には荷物を置いたり出来ますし、寝るときに足側を滑り込ませたりすることもでき、収納も確保できるので一挙両得なわけです。
この収納、一見浮いているようにみませんか?和室収納の中にドラえもんが入って寝てしまっても壊れないようにするには、当然それなりの構造部材が必要です。
種明かしをすると左右に柱があり、そこに木の梁を架けて支えています。しかし、それらを見せてしまうとかなり存在感がでてしまうので、扉で梁の存在を隠し、柱は壁に吸収させるなどしてわかりにくくしたのです。扉を開けるとすぐわかりますね。
こうした小さな工夫にも様々なデティールの検討をしており、いわゆるメーカーさんでは出来ない設計者ならではの納まりです。
ただ、こうした小さなことの集積が全体に大きく影響を与えるいると思っています。
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